雨樋とは?さまざまな形状や種類のメリット・デメリットを紹介
雨樋とはどのようなものなのでしょうか。形状や種類が多いですが、屋根の下にあり目立ちません。
しかし、雨樋は住宅にとってとても重要なものなのです。雨樋とは何か?種類の違いや特徴、メリット・デメリットを紹介します。
雨樋とは?
雨樋とは、屋根の上の雨水を地上に運ぶためのものです。しかし、それだけではありません。
雨樋を設置するメリット
実は雨樋には大切な役割があります。もし、住宅に雨樋がなければ、屋根から勢いよく地上へと落ちるため、壁は泥で汚れます。基礎部分を傷めてしまうこともあるでしょう。勢いよく屋根から落ちる雨音は、ときに騒音として迷惑な存在となります。騒音だけならよいですが、地上に落ちた雨水が跳ね返り、通行人に飛び散ると迷惑をかけてしまいます。
このようなことを避けるためにも、雨樋は重要な存在なのです。
雨樋を設置するデメリット
雨樋を設置すると、メリットばかりでなくデメリットもあります。
壊れれば排水ができなくなるので、定期的なメンテナンスが必要です。壊れればすぐに交換しなければ、勢いよく水があふれてしまうでしょう。
また、雨樋は屋外にあるため、落ち葉やゴミなどが詰まってしまうため、掃除が必要です。地味で目立たない雨樋ですが、このように多くの手間がかかる設備です。
「軒樋」と「縦樋」の役割
雨樋には軒樋と縦樋があり、役割がわかれば、より雨樋の仕組みが理解できるでしょう。
軒樋
軒樋とは、屋根からの雨水を受け止める部分で、屋根の軒先部分にある部材をいいます。 縦樋につながる集水器に雨水を流しますが、軒樋には勾配があり、傾斜になっているために雨水がスムーズに流れます。
縦樋
縦樋とは、軒樋から流れてきた雨水を地上に排水するための部分で、建物の外壁に沿って設置されています。また、縦樋と軒樋は集水器でつながっています。
場所によっては縦樋に、向きを変えるためのエルボを使用し、美観を損なわないよう外壁に沿って設置されています。
雨樋の形状
雨樋の形に違いがあることを知っていますか?3種類の形状を紹介します。
半円型
一般的な雨樋の形状なので、多くの雨樋は半円型です。築年数の古い家は、ほぼこの形といえるでしょう。
雨水を集めやすく、価格も安いので、取り入れやすい雨樋です。
角型
底面が平坦になっていて、より多くの雨水を流せます。近年では集中豪雨など、大雨に見舞われることが多いので人気です。
また、見た目の良さで角形を選ぶ人も増えてきています。
特殊型
特殊型の雨樋は、雨樋と軒先が一体化したデザイン性の高いものや、豪雪地帯に対応できるよう、雪で雨樋が傷まないようにつくられたものなどがあります。
ほかの形状とくらべて割高ですが、おしゃれな家に合わせて細部までこだわりたい人や、雪が多い地域の人に人気です。特に雪に対応している形状は、割高でも安いものを使ってすぐに壊れるより、少し高くても頑丈で壊れにくいならコスパがよいといえるでしょう。
雨樋に使われている素材
雨樋に使われている素材は、主に4種類があります。それぞれの素材でつくられた雨樋とは、どのような雨樋なのか解説します。これから住宅の建築を予定している人は、ぜひ参考にして検討してみてください。
ガルバリウム鋼板
雨樋に耐久性を求める人におすすめなのが、ガルバリウム鋼板です。鋼板にメッキが施されているため、耐久性にすぐれています。しかし、価格は高額になることが多く、一般住宅にはあまり使われません。耐久性を求める人には、ガルバリウム鋼板がおすすめです。
サビにくさも特徴のひとつですが、金属系の素材なので雨にざらしになる場合は注意が必要です。
硬質塩化ビニール
一般住宅で多く使用されているのが、強度にすぐれた硬質塩化ビニールの雨樋です。硬質塩化ビニールは、塩化ビニール樹脂が原料となっています。
ただし、紫外線に弱く、長い間さらされ続けると劣化が早まります。定期的な塗装や、破損したときには交換する必要があります。
ステンレス
ステンレス製の雨樋は、サビにくいことが大きな特徴です。ステンレスという素材は、一定量のクロムを鉄に加えて腐食しにくくしたものです。クロムは金属元素で、鉄に混ぜれば耐久性のある合金となります。家がどんなにキレイでも、雨樋がサビついていては見た目が悪くなってしまいます。しかし、サビにくいステンレス製の雨樋であれば、雨にさらされ続けても大きく美観を損なうことはないでしょう。ステンレスだと強度もあるので、雨樋にも向いています。
銅
銅製の雨樋の特徴は、軽量でサビにくく、加工がしやすいことです。価格は高いですが、耐久性にすぐれています。酸性雨に影響を受けやすく、傷みやすいというデメリットがありますが、中心部にステンレスを使用した特殊加工の雨樋を選ぶと、酸性雨の影響を受けにくいのでおすすめです。
雨樋のメンテナンス方法
雨樋とは雨水の排水のためのもので、排水の機能を維持するには、定期的なメンテナンスが必要です。メンテナンスには主に2つの方法があります。
突然雨樋が詰まったり破損したりして、雨水が溢れ出ることがないよう、メンテナンスをしておきましょう。
掃除をする
雨樋には、落ち葉やゴミなどが詰まりやすいです。正常な排水機能を保つために、定期的に掃除をしましょう。特に周辺に公園や森などがある場合は、落ち葉やゴミが風で飛ばされて来やすいので、注意してください。
年に1~2回は掃除をするのが望ましいでしょう。
点検をする
雨樋は、定期的な点検が必要です。ヒビが入っている部分はないか、不具合が起きていないか、5年から10年に1回は点検したいものです。そのほかにも、台風のあとには点検をするようにしましょう。また、積雪がある地域は、積雪のあとの点検も大切です。
まとめ
雨樋とは、雨による住宅への被害を防ぐための部材です。雨樋がなければ、住宅は雨によって外壁や基礎部分などに大きなダメージを受けます。屋根から勢いよく雨水が流れ落ちると、水が飛び散るためです。
雨樋の耐用年数はおよそ20~30年です。詰まったり破損したりしないよう、定期的に掃除やメンテナンスをして、少しでも長く使いましょう。
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