ー雨樋に見られる劣化症状とは？メンテナンスについても解説ー

雨樋が劣化すると、どのような症状が見られるのでしょうか。

普段、雨樋はどうしても存在感が薄く、破損したり詰まったりして雨水があふれ出てきて、初めて異変に気づく人が多いです。

外壁塗装や屋根の修理などを依頼した際に、雨樋の劣化が発見されるケースもあります。

今回は、自分で雨樋の劣化を見つけられるよう、症状について紹介しましょう。

 

劣化による雨樋のトラブル

雨樋は、経年劣化によってさまざまなトラブルが起こります。雨樋のトラブルは、雨樋だけで終わらずに、外壁や基礎部分など建物の劣化につながります。早めに見つけて修理をする必要があるので、どのようなトラブルが起こり得るのかを紹介します。

 

雨樋が歪む

屋外に設置されている雨樋は、雨風や雪の影響を受けます。台風などの強風や落雪などの外的要因によって歪みが起きることがあります。一度の強風や落雪で歪むよりも、日々受けているダメージが積み重なっていることが考えられるため、経年劣化が歪みの一因といえるでしょう。

雨樋が歪むと、外側に向けて勢いよく水が流れてきてしまいます。歪んでしまうと、雨樋は交換が必要です。

 

雨樋が割れる

雨樋は、落雪や強風などの衝撃を受け続けています。このような衝撃や、経年劣化によって雨樋が割れたり、外れてしまったりすることがあります。

複数の部材を接合して組み立てられていますが、接合部やその周辺で割れることが多いです。部材が破損すると水漏れを起こしやすく、建物の劣化を早めることになります。破損しているのが接合部分の固定部材だけであれば、交換するだけで済みますが、雨樋の部材が破損している場合は交換が必要です。

 

金具が錆びている

縦樋や軒樋を支える部材には、金属製と樹脂製のものがあります。金属製の部材は、経年劣化で錆びが見られます。錆びると金属が弱くなり、金具が折れてしまうことがあります。

固定している部材が折れると、雨樋はゆらゆらと揺れるようになります。揺れることによって壊れ、風に飛ばされることも考えられ、人や物に当たると危険です。錆びを見つけたら、固定部材を交換しましょう。

 

トラブルを放置することで劣化が起きる

雨樋に起きる劣化は、年数の経過によるものばかりではありません。トラブルを放置することで、雨樋を劣化させてしまうことがあります。

屋外にあるため、常に雨風にさらされている雨樋には、風に飛ばされてきた落ち葉や砂などが詰まることが多いです。近くに大きな木がある場合は、落ち葉が飛んできます。公園や山が近い場合などは注意してください。

落ち葉などが雨樋に詰まったときは、掃除をして詰まっているものを取り除くと、詰まりのトラブルが解消します。

掃除をしないで放置すると、雨水があふれたり雨樋が割れたり、劣化の原因となるので注意が必要です。

 

雨樋の修理や交換をしないとどうなる？

雨樋に不具合がある場合は、修理や交換をすることが必要です。何も対応しないでそのまま放置すると、さまざまな問題が起こります。

 

雨樋から雨水があふれる

雨樋の詰まりや破損など、さまざまな不具合を放置すると、雨樋をうまく雨水が流れずにあふれてきます。雨樋からあふれる水は、ポタポタ落ちる状態から滝のように勢いよく流れ落ちる状態まで、さまざまです。

雨樋から水があふれ始めたら、早めに修理しましょう。

 

外壁や基礎部分を劣化させる

雨樋から雨水があふれるようになると、あふれた雨水は外壁をつたって流れ落ちたり、滝のように地面に落ちたりします。日常的に雨水が外壁を流れ落ちるようになると、外壁の劣化を早めるだけではありません。劣化によってできたひび割れから雨水が浸入すると、雨漏りを引き起こします。

また、屋根から滝にように雨水が地面に落ちると、水と一緒に泥が飛び跳ねて、建物の基礎部分や外壁を汚します。水や泥によって汚れが付着すると、劣化を早めるでしょう。また、湿ることが多くなると、カビや藻が発生しやすくなります。

 

近隣トラブルの原因となる

雨樋から雨水があふれるようになり、屋根から滝のように勢いよく地面に雨水が落ちると、その音は想像以上に大きいです。夜通し雨が降り続いた場合、騒音で眠れなかったということは珍しいことではありません。当然、周辺の住民も騒音の被害を受けます。また、屋根からの雨水がカーポートの屋根に落ちる場合は、騒音はさらに大きくなるため、注意が必要です。

また、隣家の境界部分の近くに屋根がある場合、隣家の敷地に雨水が落ちてしまうことがあります。地面は水たまりができ、トラブルが起きる可能性が高いでしょう。

 

雨樋のメンテナンスはどうすればよいか

雨樋はホームセンターで部材を調達できるため、修理や交換を自分でしようと考える人もいるでしょう。しかし、高所での作業となるため、自分で行うのは危険です。メンテナンスは専門業者に依頼しましょう。

雨樋をメンテナンスする場合、どのような業者に依頼すればよいのでしょうか。依頼できるのは、以下の業者です。

・ ハウスメーカー
・リフォーム会社
・工務店
・板金業者

雨樋修理は、ハウスメーカーやリフォーム会社、工務店のほかに板金業者が対応しています。この中で「板金業者」については、なぜ雨樋が板金業者なのか、不思議に思われるかもしれません。板金業者は屋根工事のほかに、雨樋も専門としているのです。直接営業活動をする板金業者がほとんどないため、なじみがないと思われます。板金業者は自社施工している点が、ほかの業者と大きく異なります。ハウスメーカーや・リフォーム会社・工務店では、雨樋のメンテナンスは多くの場合、下請けに工事を依頼しています。下請けに工事依頼すると、中間マージンが発生するため、工事費用がその分高くなります。

信頼できる業者に依頼することが大切なので、複数の業者に見積もりを依頼して、適切な業者を選びましょう。

 

まとめ

雨樋にはゴミが詰まったり、歪んだり破損するなど、さまざまな劣化が見られるようになります。劣化を放置すると、外壁や基礎部分の劣化が早まるだけでなく、流れ落ちる雨水が原因で近隣トラブルに発展しかねません。定期的に雨樋を点検し、劣化を見つけた場合には早めに業者に相談しましょう。