雨樋の劣化は
屋根に落ちた雨を集めて排水する雨樋。
雨樋は塩化ビニールでできていることがほとんどであり、一度設置すれば永久的に使えるというものではありません。
寿命を迎える目安となる耐用年数があり、耐用年数を超えた雨樋は、十分に機能を果たせない場合があるため、メンテナンスが必要です。場合によっては、交換したほうが良いときもあります。
また雨樋は、気象の影響や、建物の立地条件によって、耐用年数より早く劣化し、修理や交換が必要になる場合も少なくありません。
今回は、雨樋が寿命を迎える目安である耐用年数と、劣化の症状などについて、詳しく紹介します。
雨樋の耐用年数
多くの住宅に使われている塩化ビニールでできた雨樋が寿命を迎える耐用年数は、約20年程度です。
雨樋は、雨を集めて排出する役割であるため、屋外に設置され、常に日光による紫外線を浴び続けています。
そのため、少しずつ劣化し、多くの場合で設置から約20年程度を迎える頃には、割れやすくなるなどの寿命を迎えます。
雨樋の寿命は、日光による紫外線だけではなく、風雨を受けることや、寒暖差の影響によっても年数が変わってきます。同じ素材の雨樋でも建物の立地によって、耐用年数より早く寿命を迎える場合があるのです。
また地震が起きたあとも、耐用年数に関係なく、雨樋が外れるなどして寿命が短くなることがあります。
そのため、耐用年数に関係なく、雨の季節や台風の前などには、雨樋に異常が生じていないか確認するようにしましょう。
雨樋の劣化の症状とは
雨樋の劣化が進み、寿命を迎えるときには、どのような症状が現れるのでしょうか。
ここからは、雨樋の劣化の症状について、わかりやすく紹介しましょう。
色褪せ
日光の紫外線によって、雨樋に色褪せが起きているときは劣化が始まっているサインの一つです。ひび割れや歪みなどがない場合には、単に塗料が色褪せているだけなので、塗料を塗り直せば修復できます。
ただし、色褪せだけではなく、ひび割れや歪みがある場合には、修理や交換が必要なことがあります。色褪せ以外に症状がないか、業者に確認してもらいましょう。
また、ひび割れや歪みがない場合でも、色褪せが起きたということは、劣化が始まっていることでもあります。色褪せを放置するのではなく、劣化が進まないうちに塗装を塗り直して劣化を遅らせるなどの対応をしましょう。
継ぎ目の外れやズレ
雨樋の継ぎ目が外れていたり、ズレが起きたりしている場合にも、劣化が進んでいるサインです。
継ぎ目が外れていたり、ズレが起きたりしている部分には、雨樋専用の接着剤などを使った修理が必要です。ただし、外れやズレが激しい場合には、部分的に雨樋を交換しなければなりません。
雨樋の継ぎ目が外れたりずれたりしたままだと、雨水がうまく排水されず、雨樋から雨水が溢れる危険があります。雨樋だけではなく、屋根や家を傷めることにも繋がるため、早めに業者に修理を依頼し、修理してもらうことをおすすめします。
部品の傷み
雨樋を接続している部分や、設置する部品に傷みや壊れがあるときも、雨樋の劣化が進み、寿命が近づいているサインです。
傷んだ部品を放置すると、雨樋を支えられなくなり、歪んでしまいます。
雨樋が歪めば、雨水が排水されなくなり、危険です。また、雨樋が歪むだけではなく、支えている部品が壊れた場合には、雨樋が落ちる危険があります。
雨樋そのものではなく、部品の傷みや壊れはたいしたことないと思うかもしれません。しかし部品が雨樋を支えられなくなれば、雨樋ごと交換しなければならなくなります。部品の傷みや壊れは、雨樋そのものに影響しないと思わずに、修理や交換を行いましょう。
歪み
雨樋が歪んでいる場合には、劣化が進んでいるサインです。寿命を迎えている場合も多いため、早急に交換など、必要なメンテナンスを行うようにしましょう。
雨樋が大きく歪んでいる場合には、雨水が本来の方向に流れていない場合もあります。このような状態が続けば、雨樋だけではなく屋根が傷んでしまうため、本来の方向に流れるように、傾斜を調整する必要があります。
歪みが小さい場合には、金具などを調整して修理できますが、大きな歪みになると、雨樋を交換しなければなりません。大がかりな修理になる前に、歪みの修理を依頼しましょう。
ゴミ
雨樋の劣化を進めるものの一つに、ゴミの詰まりがあります。
雨樋の寿命を迎えたせいで、排水がうまくいかないと思っていても、実はゴミが詰まっているだけで、きれいに掃除をすると排水できるようになる場合が少なくありません。
しかし、雨樋の掃除は高所での作業になるため、自分で行うことは危険を伴います。特に2階以上の雨樋の掃除は、専門の業者に依頼しましょう。
また、定期的に雨樋に異常がないかを点検してもらうと良いでしょう。
割れや欠落
雨樋に割れや欠落箇所があるときは、寿命が近づいているか、寿命を超えたサインです。雨水が排水されず、水が溢れる危険があるため、雨樋を交換する必要があります。
どの部分に割れや欠落があるのか、一部だけの交換なのか、全体の交換が必要なのかを業者に確認してもらいましょう。また、割れや欠落がある雨樋を放置すると、屋根や家を傷め、雨樋以外の箇所の修理も必要になります。
雨漏りが起きて、屋根や家の基礎を修理することになると、大がかりな工事が必要となり、費用が大きくかかってしまいます。
雨樋の割れや欠落に気づいたら、可能な限り早く業者に修理を依頼しましょう。
まとめ
今回は、雨樋が寿命を迎える頃に現れやすい劣化のサインを紹介しました。
多くの住宅で使われている雨樋は、塩化ビニールでできており、寿命を迎える目安とされる耐用年数は、約20年程度であるといわれています。
しかし、この20年というのは、あくまでも目安でしかありません。
耐用年数に関係なく、気象や建物の立地によって、雨樋の劣化が進み寿命を迎えることはしばしばあります。
雨樋の劣化には、色褪せや、ひび割れ、歪み、外れ、詰まりなどがあります。いずれの場合も放置すれば、雨樋だけではなく、屋根や家そのものを傷める原因になることがあります。
雨樋に劣化のサインを見つけたときには、専門の業者に依頼し、点検や必要なメンテナンス、または修理や交換を行ってもらいましょう。