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ー雨樋は点検が必要?劣化に気づかないリスクを解説ー

建物には必ずといえるほど「雨樋」がつけられています。しかし、雨樋の存在を意識する人は、それほど多くありません。

それほど存在感が薄い雨樋ですが、実はなくてはならない、とても重要な存在なのです。雨樋が劣化していることに気づかず、放置していると、破損などによって機能しなくなる恐れがあります。雨樋が機能しなくなると、どのようなことが起こるのでしょうか。

雨樋は定期的な点検が大切です。なぜ点検をしなければならないのか、わかりやすく解説します。

 

雨樋の役割とは

雨樋の大きな役割は、雨水から建物を保護することです。建物へ雨水が侵入する雨漏りを防ぎ、雨水が原因となる建物の腐食を防いでいます。

屋根に降る雨は、雨樋を通り排水溝へと流れます。雨樋がなかったり、破損などで機能していなかったりする場合は、建物にさまざまな影響を及ぼします。屋根から雨水が流れ落ちて、地面に水たまりをつくり、基礎部分の周辺が不安定な状態になる可能性が高いです。また、雨水が屋根から外壁をつたって流れることで、外壁を腐食させることも考えられます。

このように、雨樋には大切な役割があり、雨樋がなければ建物の老朽化が早まります。雨樋が壊れた状態を放置することは危険です。不具合が起きていないか、定期的な点検を行いましょう。

 

雨樋の点検でチェックする5つのポイント

雨樋の点検は専門の業者に依頼する必要はなく、自分でできます。雨樋のどの部分をチェックすればよいのか、点検のポイントを解説しましょう。

 

1.ゴミなどが詰まっていないか

雨樋の形状は、ゴミが溜まりやすく、詰まりの原因となります。ゴミの詰まりは、雨樋が劣化が進むため、注意が必要です。

屋根に接した雨樋が横向きの部分は、受け皿のようになっていて、風などで飛ばされてきた葉やゴミが溜まります。縦になっている部分は、筒状になっていて中が見えません。屋根から流されてきた葉やゴミが溜まりやすく、放置すると詰まってしまいます。特に近くに山や公園など、木がある場所では、雨樋に葉が詰まりやすいです。少なくても年に1回は、雨樋が詰まっていないか点検しましょう。

 

2.雨樋が割れていないか

雨樋は、常に強風など外的な衝撃を受けるリスクにさらされています。強風や風によって飛ばされてきたものの衝撃で、雨樋が割れたり外れたりすることがあります。雨樋の部材を接合している部分が割れやすいので、点検の際には特に注意深くチェックしてください。

雨樋は、一般的に20年から25年ほど持つといわれています。年数が経てば、経年劣化によってひび割れが起こることもあるでしょう。少しのひび割れだと、部分的に補修すれば問題ないと思われるかもしれませんが、その部分からひび割れが大きくなる可能性があります。

 

3.金具部分にサビがないか

雨樋を固定している金具部分にサビが発生すると、金具が折れる可能性があります。金具が折れると雨樋を固定できなくなり、雨樋は風にあおられて破損し、吹き飛ばされることも考えられます。サビが見られる場合は、金具を新しいものに交換しましょう。

 

4.雨樋が歪んでいないか

雨樋の劣化が進むと歪みが出るので、雨樋の傾斜を点検してください。歪んでいる場合には、雨樋が寿命を迎えている可能性があり、交換など適切なメンテナンスが必要です。

小さい歪みであれば、金具を調整して修理が可能です。しかし、大きく歪んでいる場合は、雨水が外側に勢いよく流れてきます。そうすると、外壁を汚したり屋根を傷めたりするので、交換が必要です。2階以上の高さであれば、雨水が落ちる音が大きく、騒音で近隣トラブルになることも珍しくありません。

 

5.雨樋が色あせていないか

色あせも劣化のサインの一つなので、点検の際にはチェックしましょう。色あせは紫外線によって起こります。

ただ色があせているだけで、ひび割れや歪みが見られない場合は、塗料が色あせているだけなので問題ありません。塗り直せばキレイな状態に戻せます。塗り直すことで、劣化を遅らせる効果も期待できるでしょう。しかし、ひび割れや歪みがあれば、修理や交換などメンテナンスが必要です。

 

雨樋の不具合を放置するとどうなる?

雨樋に劣化や不具合が出た場合、修理や交換など適切な対応が必要です。しかし、何も対応しないで放置すると、さまざまな問題が生じます。

1.外壁の劣化

雨水が雨樋を正常に通れない状態だと、雨樋からあふれ出てしまいます。直接外壁をつたって地面に流れ落ちるため、外壁が劣化します。

屋根から流れ落ちる雨水には、屋根の砂やゴミが混ざっています。汚れが外壁に付着するでしょう。外壁が劣化することでひび割れができると、その部分から水が入り込み、雨漏りが起きます。

 

2.屋根から落ちる雨水の騒音

雨樋の破損や詰まりによって雨水があふれると、屋根から地面に雨水が一気に流れ落ちることがあります。この場合、かなり大きな音が出ます。特に、2階や3階の屋根からカーポートの屋根に水が落ちる場合は、かなりの騒音です。

夜中に雨が降り続くときなど、屋根から雨が落ちる騒音で眠れなかったという声が聞かれます。

 

3.近隣トラブル

屋根が隣家との境界線近くにある場合は、屋根から落ちる雨水が隣家の敷地に落ちることがあります。そうなると、隣家の敷地に水たまりができたり、泥が外壁や基礎部分に飛び散ったりします。また、雨水の騒音は、周辺の住宅にも影響が出ることが考えられ、トラブルに発展しかねません。

 

雨樋の寿命

多くの住宅で使われている雨樋は、塩化ビニール製で、耐用年数は20年から25年程度です。屋外に設置されるため、常に紫外線を浴び、風雨や寒暖差などの影響を受け、劣化が進みます。雨樋の寿命は環境による影響が大きく、寒暖差が多きい地域や、台風が多い地域では、耐用年数よりも寿命が短い傾向が見られます。

 

まとめ

雨樋の点検をする際の、チェックポイントを紹介しました。

雨樋が機能を果たさない状態になると、雨樋だけでなく建物の劣化につながります。雨樋の劣化や不具合は、自分で点検ができるので、定期的に点検を行いましょう。劣化が進んでしまう前に劣化のサインを見つけ、適切なメンテナンスをすることで雨樋の寿命を延ばせるでしょう。

雨樋の点検は自分でできますが、一度も点検をしたことがなくて不安な場合は、専門業者に依頼すると安心です。

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