雨が降ってきても、普段雨樋の具合を逐一確認しているという人は少ないでしょう。
しかし、当たり前ですが雨樋は雨に濡れ続けています。
また、雨が降っていないときでも、日光の紫外線や風を受け、劣化していることもあります。
雨樋の不具合に気付くときは、雨樋から雨水が溢れていたり、雨樋が外れてしまっているなど、不具合が起きてからの場合が多いです。
また、不具合に事前に気付けても、どこに点検や補修を依頼して良いのかわからないという人も多くいます。これは雨樋が壊れてしまったときも同じです。
今回は、雨樋の点検や修理など、工事をどこに依頼すれば良いのかなどについて、わかりやすく説明したいと思います。
板金や金属屋根の業者
雨樋は金属であることがほとんどです。このため、雨樋の工事を請け負っている業者の一つに、板金や金属屋根を取り扱っている業者があります。
板金屋が雨樋を取り扱うようになった背景には、日本がブリキを輸入し始めた頃、ブリキ職人が、使われないブリキを使って雨樋を作っていたことがあります。
ブリキ職人たちは、時代の変化に伴って板金屋などに変化しており、今は金属屋根を取り扱う板金屋が雨樋の工事を請け負っている場合が多いです。
板金屋では、金属を加工する技術を持っていることが多いため、家の屋根に合わせた雨樋に加工できる場合があり、雨樋の対応に柔軟であることが特徴です。
瓦屋根業者
板金屋以外にも、雨樋の工事を請け負っている業者があります。
瓦屋根を取り扱っている業者では、雨樋も屋根の一部として、工事を請け負っているのです。
雨樋は、屋根に落ちた雨水を排水する目的があり、屋根と樋は併せて設置されることが多いため、屋根工事を行う業者でも取り扱えることが多いです。
ただし、屋根に使われている素材や、雨樋の形によって、瓦屋根の業者では工事ができない場合もありますから相談することが必要です。
費用は?
雨樋の修理には、どの程度の費用が掛かるのでしょうか。
費用を大きく左右するものに、足場があります。
工事にあたって、足場の設置が必要か不要かによって、金額が大きく異なるのです。
ただし、費用が大きく掛かるからと言って足場を設置せず、無理な工事を依頼することは危険を伴います。危険な作業を進めれば、工事そのものがうまくいかない可能性もあります。
まずは、板金や瓦屋根の業者に見積もりを取ると良いでしょう。費用は雨樋や屋根の状態によって異なりますが、ここでは、雨樋の工事費用の目安を紹介したいと思います。
足場が必要な場合
足場の設置が必要な雨樋の工事は、約12万円から20万円前後であることが多いです。
足場を必要とする場合には、雨樋の修理工事そのもの以外に、足場を設置し工事が終われば足場を解体するという作業が加わるため、費用が多く掛かる場合が多いです。
また、工程が多くなるため、工事期間も足場を必要としない場合に比べると、2日から3日程度長くかかります。
雨樋は屋根伝いに設置されていることがほとんどであるため、足場を必要とする工事も少なくありません。
業者に見積もりを依頼するときに、足場の必要性や工事内容について詳しく説明してもらうことが大切です。
また、足場を設置することに合わせて、外壁のメンテナンスなどを行うと、最終的な費用を抑えられる場合もあります。
足場が不要な場合
雨樋の工事で足場の設置が不要な場合には、約2万円から6万円程度であることが多いです。
ただし、雨樋の状態によって費用は異なります。
また雨樋の工事を行うために、周辺の箇所に修理が必要な場合もあるため、どの程度の費用がかかるのかは、あらかじめ業者に確認しましょう。
古い建物では壊れてしまった雨樋がすでに手に入らない型番である可能性もあります。板金の業者では形に合わせて対応してもらえる場合もありますから、相談しましょう。
雨樋をすべて交換する場合
設置されている雨樋を部分的に補修するのではなく、全体を修理したり交換する場合には、ほとんどの場合で足場の設置が必要です。
このため、部分的な補修に比べると、費用が多く掛かります。また工事期間も長く掛かる場合が多いです。
雨樋の全体を工事する場合には、足場を設置したら、すでにある雨樋を撤去してから工事に入ります。このとき、単に雨樋を撤去するのではなく、雨樋を設置していた金具なども一度外して新しいものに交換してもらうと良いでしょう。
新しく取り付ける雨樋は、家の構造や風雨の当たり方などから、建物に適したものを選びましょう。どのような雨樋を設置することが良いか、業者は専門家ですから提案してもらうことをおすすめします。
雨樋の寿命
雨樋の寿命は、素材や設置場所によって多少の異なりはあるものの、15年から20年程度であるものが多いです。
しかし、雨樋は、気象の影響を受けやすいものです。
大きな台風に続いて遭っていたり、厳冬で雪や雹に多くあったなどの場合には、これより早く劣化することも少なくありません。また、まだ新しい雨樋であっても、気象の影響によって割れや歪みが出ることもあります。
このため、日頃から異常がないかを点検しておくことが大切です。ただし、先述したように、雨樋は屋根伝いに設置されていることがほとんどです。
雨樋の状態を確認するために危険を伴う場合には、必ず業者に点検を依頼しましょう。
また、板金や瓦屋根の業者に点検を依頼すれば、不具合が見つかったときに修理を依頼できます。
まとめ
雨樋は、雨を受けて排水する役割を果たしています。このため、雨樋がうまく機能しないと、雨漏りが起きたり、建物が傷んでしまう場合があります。
雨樋に不具合が起きて修理が必要になった場合には、板金や瓦屋根の業者に依頼すると良いでしょう。雨樋の工事には、足場を必要とする場合があります。
費用が大きく掛かってしまうため、敬遠したくなりますが、安全のために足場が必要であるかを確認することが大切です。
屋根の付属品のように感じることが多いため、大きな役割を感じないときもあります。しかし、雨樋は建物にとって非常に大切です。雨樋がきちんと機能を果たすことで、家を守れるのです。
雨樋は寿命を迎える前であっても、気象によって割れや歪みが起きることもあります。大掛かりな工事を避け、家を守るためには、不具合が起きる前に点検やメンテナンスを行うようにしましょう。